2025年度エプソン会社見学会を開催
8月21日(木)および22日(金)に、奨学生12名(27期生・28期生・7期生)が参加し、夏休み中の恒例行事となったセイコーエプソン株式会社の会社見学会を行いました。2日間とも厳しい残暑でしたが、東京・名古屋・京都などからの参加者には、信州の朝晩の空気のさわやかさが印象的だったようです。
参加者はまずオリエンテーションで、エプソンの企業概要や、パーパスの実現のために「省・小・精」の技術をベースとしてどのような事業を行っているかの概略を聞いた後、エプソン・ミュージアム・創業記念館で腕時計の部品工場からどのように今日のプリンターを中心とするビジネスを展開するに至ったかの説明を受けました。同・ものづくり歴史館では、インクジェットプリンターのしくみを学んだり、多様な他事業の製品を見学しました。特にプロジェクターを使った「ゆめ水族園」の活動や、衣類の大量廃棄を防ぐためのプロジェクター利用の取組など、製品を通じて社会課題の解決に取り組む会社の姿勢に共感していました。また、繊細な感触を感知できる産業用ロボットの紹介(黒ひげ危機一髪に挑戦)にも興味を示す参加者が多くいました。
一日目の午後は、28期生・7期生は広丘事業所・ソリューションセンターを見学し、あらゆるものに印刷できるエプソンのプリント技術を目にしました。UVインクを用いて様々な素材に印刷されたサンプルを見たときにはその質感に驚き、また超大型の捺染プリンターを見たときはその迫力に感嘆の声が大きくあがっていました。乾式オフィス製紙機「PaparLab」の説明では、エプソンのアップサイクル技術、循環型経済への貢献について理解を深めました。環境問題をはじめとする社会課題について関心が高い参加者が多く、PaperLabのアイディアと事業化について、特に感銘を受けて関心を抱いたようでした。
27期生は、塩尻事業所で、匠工房・マイクロアーチスト工房等の見学をしました。「すべての工程において機械にはできない精度や繊細さが求められていること、それを人の手が実現し、現代においても高度な職人技がものづくりに欠かせないことに感動した」、という感想が述べられました。
見学会を通じて、技術を通じて社会に貢献するエプソンの理念や実践に共感してもらうことができたと思います。
夕方からは、理事長、常務理事、選考委員、同窓生にも出席していただいて、和やかに夕食会を行いました。
その後は、諏訪湖から打ち上げられるサマー・ナイト花火を諏訪湖畔で満喫しました。
二日目は、まず諏訪湖観光船に乗船しました。強い日差しの中でも、朝の湖の上を吹き渡る風は気持ちの良いものでした。
その後は下諏訪町のオルゴール博物館「すわのね」にて、オルゴール組立体験をしました。あらかじめ各人の希望を伝えておいた曲とケースでオリジナルのオルゴールができるように部品を用意していただき、30分ほどで組立てることができました。作業室には皆さんのオルゴールの優しい音色が響きました 。
そして午後は、諏訪大社・上社・本宮を参拝しました。エプソンOBで観光ボランティアガイドをされている茅野恒夫さんのご案内で、神社参拝のマナーを教えていただきながら、諏訪大社の悠久の歴史を感じつつ静かに参拝をしました。
この会社見学会は当財団の母体企業であるセイコーエプソンの歴史や価値観や事業を知ること、諏訪地域の文化・歴史を知ること、奨学生相互の交流を図ることを目的として実施しています。それぞれの参加者が、この目的を意識しながら2日間のプログラムに参加してくれました。2日間の見学会を通じて、エプソンをより良く理解し、諏訪地域に親しみ、また他大学の留学生仲間とも知り合うことができて、参加者にとって夏の良い思い出になったことと思います。また次の交流行事での再会まで、お互い元気で頑張りましょうと誓って、お開きとなりました。



